文様舎ジュエリーワークス

   波千鳥（なみちどり）は波間に群れ飛ぶ千鳥を図案化した意匠です。千鳥は多くの鳥という意味から名付けられ、列をなして飛ぶ雁に対して自由に群がり飛ぶ様が文様とされました。※1
   目貫（めぬき）は日本刀の柄（つか：握りの部分）の中心付近に装飾や滑り止め等の目的で固定される金具です。
   この目貫の本体は純銀の板から打ち出しで制作しました。千鳥は純金の地金に対して銅を割金（わりがね）※2 にした赤みがかったK20、波しぶき を表した丸い玉は、純金の地金に対して銀を割金にした青みがかったK20です。

※1  参考書籍： 「文様の手帖」 編集 尚学図書  発行 小学館
※2  割金：わりがね　貴金属合金を作る際に貴金属（金、プラチナ、シルバー）と共に溶解され混ぜ合わされる金属のこと。

   バングル 【 こがねしろがね 】 は「こがね」（金を表す やまとことば）と「しろがね」（銀を表す やまとことば）の素材を対称的に見立て、それらを素材として組み合わせたバングルです。
   バングル本体はチタンの丸棒を曲げて成形しました。腕にはめた状態で真上から見たとき、真ん中を中心に点対称になります。
   表面は三本線を繰り返したパターンの模様になるように溝を彫り、その溝の中に片側半分は純金を、残りの半分は純銀をそれぞれ埋め込み、バングル全体をヘアーライン仕上げにしています。

   ペンダント 【 レインボームーンストーン 】 はレインボームーンストーン※1を中心にあしらったペンダントです。
   ペンダントの表面の層はシェルを削りだして作り、その下に空間を挟んで 色を付けたチタンの層とシルバー950の層があり、それぞれ三本のシルバー950のパイプの柱で固定されています。
   レインボームーンストーンは K18の石座と共にその空間の中に浮いているような位置にあります。（実際は三本の柱に繋がった梁（はり）※2 によって支持されています）


※1  石の分類上ではラブラドライト
※2  構造物で垂直方向の柱に対して水平方向に用いられる構造材

   リング【 ゴールデンパール 】は、二個のゴールデンパールを用いたリングの注文により制作しました。
   地金はゴールデンパールの色と合わせたK18で、柔らかな曲線の繋がりとその流れを意識したデザインにしました。
   リングの腕から伸びた曲線がパールを貫き、手の甲に向かう流れをつくることで、エレガントな中にもモダンな印象になるよう留意しました。